働かないアリがなぜ必要なのかがよくわかる本。
よく「働きありの法則」という法則を聞く。
人間社会、アリの社会でも
「よく働く」:「標準的に働く」:「よく働かない」 = 2:6:2
の割合になっているということを説かれた法則。
(例えば「よく働く」が抜けると再度この割合が構築される)
前提として、アリの役割には下記が主にある。
- 餌を噛み砕く兵隊アリ
- 餌を探索したり、運んだりするアリ
- 卵や巣を保守するアリ
反応閾値という概念
アリやハチのコロニーは、個々の昆虫が異なる反応閾値(つまり個体差)を持つことで効率的に運営されています。反応閾値とは、刺激(アリの数だったり、動いているアリの速度だったり、ホルモンの匂いだったり)に対して個体が行動を開始するために必要な最小の刺激量。このシステムにより、必要な時にのみ特定の昆虫がタスクに取り組むため、エネルギーが無駄にならず、全体としてのコロニーが柔軟に対応できます。また、常に活動していない昆虫も重要で、大きな刺激があった際に備えて待機しています。これにより、コロニーはさまざまな状況に迅速に適応できるのです。
人間に例えるならば、「綺麗好き」「普通」「綺麗好きではない」に分けるとして、部屋の散らかり具合が変動していくにつれて、掃除をしだす人は変わってくる。というようなイメージ。
非常に面白い。
なぜこれが持続可能なシステムかというと。それぞれの動物の各タスク量が増えると筋繊維で動いている動物というのは寿命が短くなる(筋繊維と乳酸の関係)。よってアリも同様で、全てのアリがoverworkすれば短期的には爆発的に効率は上がるが、全員の寿命が短くなり死んでいく。動き出すタイミングをずらして柔軟にタスクに対応することでそれぞれのoverworkを減らすことができるというのが、反応閾値を利用した仕組みらしい。
人間社会も同様なのかもしれない。余裕を持ったチーム(リソース)が一番長期的にvalueを発揮でき、サステイナブルなのかもしれない。
対立についても(人間の体の細胞内の対立まで書かれていた)とても面白いことが書かれていたのでぜひ読んでいただきたい一冊。
まとめると、働きアリの法則で2割は働かないというのは、能力が劣っているというわけではないことがわかった。単純に反応閾値に個体差があるというだけの話だった。人間社会でも同じなのかもしれない、腰が軽い人と腰が重い人がいて、個体差がある。腰が軽い人が抜けると、反応閾値みたいなものが作用して、腰が重い人も腰が軽い人にならざるおえない。この法則は面白い!
この教訓から、自分に落とし込めることとしては、どこのチームにも反応閾値が様々な人がいることを認識し認めて理解することかなと思う。
腰が重い人(よく働かない人)がいても、反応閾値に違いがあるためと認識でき、自分の中から湧き出る怒りだったりを抑えることができるのではないだろうか笑笑。これが自然の摂理であり、チームの長期的な存続には必要なことだと笑。別の視点はもちろんありますが笑